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エンジンオイル

エンジンオイルの正しい選び方と交換目安

エンジンオイルの基本的な役割

エンジンオイルには、主に5つの重要な役割があります。
金属部品同士の摩擦を防ぎ、摩耗を抑える「潤滑(ルブリケーション)」は、エンジンを守る最も重要な役割です。

また、燃焼によって発生する熱を吸収し、エンジンを適正な温度に保つ「冷却(クーリング)」の役割も担います。

さらに、シリンダーとピストンの隙間を埋めて燃焼ガスの漏れを防ぐ「密閉(シーリング)」により、エンジン本来の出力を維持します。

そのほか、燃焼カスなどの汚れを取り込み内部を清浄に保つ「清浄(クリーニング)」、水分による金属の錆びを防ぐ「防錆(ラスト)」も大切な役割です。

これらの役割が損なわれると、エンジンのパワーダウンや燃費悪化、異音の発生といった問題が起こり始めます。

規格と粘度から見るエンジンオイルの選び方

バイク用のエンジンオイルを選ぶ際、確認すべきなのが粘度、API規格、そしてJASO規格の3点です。

粘度:走行シーンと気温で適切な固さを選ぶ

粘度は「SAE規格」で表示され、「10W-40」のように表記されます。

「W」の前の数字(この例では10)は低温時の粘度を表し、数字が小さいほど寒冷地でもオイルが固まりにくく始動性が良いことを示します。

「W」の後の数字(この例では40)は高温時の粘度を指し、数字が大きいほど高温下でも油膜が切れにくく、エンジンを保護する力が強いことを表しています。

一般的に、高性能なスポーツバイクや夏場の走行が多い場合は高めの粘度、冬場の始動性を重視する場合は低めの粘度を選ぶと良いですが、まずは車両メーカーが指定する粘度を選ぶのが基本です。

API規格とJASO規格:オイルの性能と区分を知る

API規格は、オイルの基本的な品質や性能を示す国際的な規格です。
バイク用のガソリンエンジンオイルは「S」から始まる記号(例:SL, SM, SN)で表され、アルファベットがZに近づくほど高性能であることを意味します。

また、バイク(4ストロークエンジン)はエンジンオイルがクラッチの潤滑も兼ねているため、自動車用オイルではクラッチが滑ってしまう可能性があります。

そこで重要になるのが、バイク特有のJASO規格です。
JASO規格は、クラッチの滑りを抑制する性能を評価しており、MA(主に湿式クラッチ用)やMB(主にスクーターなど乾式クラッチ用)の表示があるものを選びましょう。

特に、スポーツ走行をするバイクには「MA2」などの高性能オイルが適しています。

エンジンオイル交換時期の目安

エンジンオイルは使用するにつれて劣化し、前述の5つの役割を果たせなくなっていきます。
一般的な交換時期の目安は、走行距離で3,000km~5,000kmごと、または使用期間で3ヶ月~6ヶ月ごととされています。

ただし、交換目安は車種や走行条件によって大きく変動します。
例えば、渋滞の多い街乗りでのストップ&ゴーが多い場合や、エンジンを高回転まで回すような過酷な走行が多い場合は、オイルの劣化が早くなるため、早めの交換が必要です。

ご自身の愛車の種類や走行環境を考慮し、メーカー指定の交換サイクルを守りつつ、少し早めのサイクルで交換することを心がけると、エンジンの寿命を延ばすことにつながりますよ。