バイクを軽量化する意味はどこにある?
よく新モデルが登場した時に「旧式に比べて格段の軽量化に成功!」といった宣伝文句を見かけます。
つまりバイクの軽量化は無条件でよいことであり、バイクの魅力を高めることであり、バイクメーカーの技術力の高さを示すものとして扱われているわけです。
もっといえば、軽量化に成功するだけでモデルチェンジの意味があったとみなされる面もあります。
また、自分でバイクをカスマタイズしているライダーの間でも軽量化に勤しんでいる人が見られます。
よく見られるのが、マフラーを交換することによる軽量化です。
マフラーの交換は比較的手軽にできるうえに軽量化の成果が得られやすい特徴を持っています。
ほかにも、ホイールやボルト素材を交換することでも軽量化が可能です。
バイクの軽量化のメリットとデメリット
実際問題として、軽量化が実現したバイクの新モデルを乗ったときに「軽くなったなぁ」と感じる機会はごく限られています。
大型のバイクは重いですから、倒れた時に起こしたり、バランスを保つ時に苦労することがあります。
軽量化はこうした点でメリットが得られるようにも思えますが、バイクを起こすときに軽くて楽になるくらい大幅な軽量化が実現することはまずありません。
どんなに軽量化が実現しようとも、ほとんどのライダーにとってバイクは「重い乗り物」なのです。
軽量化のメリットは、実際の重量の軽さがもたらすメリットよりも走行性にもたらす影響にあります。
例えば、ホイールを軽量化することによって加速性能や減速性能を向上されることができます。
また、重量が軽くなることで燃費性能もアップします。
バイクの燃費性能への関心が高まっている現在、このメリットはバイクメーカーが軽量化を推し進めている重要な理由の一つにもなっているでしょう。
ほかには、緊急停止の時に素早く停止できるといった点も挙げられます。
では逆にデメリットはないのか?と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
まず最初に最大のデメリットとして挙げたいのが、「カスタマイズで軽量化してもかけた労力ほどのメリットは得られない」です。
お金と労力をかけて軽量化を実現したところで向上する燃費性能はごくわずか、緊急時の停車も劇的に変わるほどではありませんし、そもそも緊急停車するシチューションには遭わないに越したことはありません。
簡単に言えば、「労多くして益少し」なわけです。
さらに軽量化すると、アクセルをオン/オフしたときにバイクが振動しやすくなる、直線道路を走る時の安定性が低下するといった、走行時の状況にかかわるデメリットも見られます。
メーカーが軽量化をする場合にはこうした点を改善する工夫が行われているわけですが、自分でカスタマイズして軽量化を目指す場合にはこうしたデメリットに注意が必要です。