話題のカワサキの新開発エンジンの仕様や特徴
2023年6月に開催されたパリエアショー2023で、話題になったのがカワサキの新開発エンジンです。
航空機用の6気筒エンジンですが、なんとターボを採用していることが明らかになっています。
そのため、どんなエンジンになるのか今から注目を集めているわけですが、実際のところどうなのでしょうか?
今回の航空機用の新開発エンジンは、「ニンジャH2R」をベースにしたものだそうです。
となると、いかに航空機のエンジンの話とはいえバイク好きも無視できません。
この新開発エンジンのポイントとなっているのは、ベースになったと言われている「ニンジャH2R」のエンジンがスーパーチャージャーなのに対しこちらはターボであること、いわばパワーアップバージョンとも言えます。
具体的な仕様としては、ニンジャH2Rと同様にボア経76.0mm、ストローク76.0mmの直列6気筒エンジン、そして排気量は2070ccに拡張されています。
航空機ですから、パワーアップは当然というわけなのでしょう。
ちなみにこのエンジンを搭載した航空機が離陸する際の出力は、380psにまで達すると考えられています。
ニンジャH2Rの最高出力は310psですから、仕様上の数字でもパワーアップしていることがうかがえます。
そして最大の特徴であるターボの搭載も見逃せません。
バイクの場合レスポンスに優れたスーパーチャージーが適している一方で、航空機の場合、このタイプに見られる駆動ロスがデメリットになるためターボ採用になったと推定されています。
新型6気筒ターボエンジンをめぐる今後の動きについて
まだ開発段階、しかもカワサキがフランスの新興航空メーカーに出資してエンジンを供給する形となっているため、まだまだ実態が明らかになっていないのが現状です。
今後どのような動きがあるのか、カワサキだけでなくこの航空メーカーの動向も踏まえて見ていく必要があるでしょう。
一方で、カワサキは今後の展開(ロードマップ)について示しており、2024年にガソリン版の6気筒ターボエンジンをサンプルの形で供給、2030年にヨーロッパにおいて型式を取得することを目指すとしています。
さらに2027年に液体水素版の6気筒ターボエンジンのサンプルを供給、2035年にヨーロッパで航空機の型式を獲得を目指す、としています。
ですから、一般のバイク好きがこの新エンジンと直接接する機会が来るのはまだまだ先の話になりそうです。
しかし、何しろカワサキの新型エンジン、それもターボエンジンですから、今後の動向をチェックしつつ首を長くしてその時が来るのを待ち続けたいものです。