都内では慢性的に不足しているバイク駐車場
都内でバイクを運転する機会が多い方は、バイク駐車場がいかに少ないかを痛感しているのではないでしょうか。
あるいは、ツーリングなどで東京の都心部を訪れた時に「バイクの置き場所がない!」と驚いた経験がある方も少なくないと思います。
バイクに乗らない人でも都心部に住んでいれば容易に察しがつく問題なのですが、都内にはバイクの駐車場が慢性的に不足しているのです。
これは、これまで都市開発において人の移動を鉄道の利用を前提に推進してきた点が大きな理由となっています。
商業施設をはじめとして、駅からのアクセスの良さを重視している一方、バイクで訪れても停める場所がないケースが非常に多いのです。
これは自転車でも同じことがいえますが、都市開発の段階でバイクで訪れる人たちのことを十分に想定していないことが原因です。
こうした問題を改善するために自動車の駐車場を確保する地域も増えていますが、バイク駐車場に関してはまだまだ少ないのが現状です。
例えばバイクのライダーが都心に出かけようと思った時には、必ず「バイクを停める場所があるのか」をチェックする必要があります。
なければ、せっかくバイクで訪れても通り過ぎるだけで終わってしまいかねません。
事前に調べてバイク駐車場がなさそうなら、鉄道など他の移動手段を使うことになります。
さらには、行きたいと思っている場所が2つある場合、バイク駐車場がある場所だけを選ぶといったことも起こりえます。
つまり、バイク駐車場がないためにバイクを乗らない、バイクで行かないといった状況になるわけです。
バイク駐車場が不足しているために、いざバイクで訪れてみたらすでに満車で利用できずに停める場所がなくて途方に暮れるといったトラブルも起こりえます。
こうした問題はバイクを利用する機会を奪うものであり、バイク業界で深刻な問題として受けとめられているのです。
あるデータによると、バイクのライダーの約6割が「今よりもバイク駐車場が充実すればもっとバイクに乗る機会が多くなる」と答えているそうです。
東京都の取り組み
そうした問題もあり、2022年の4月には東京オートバイ協同組合をはじめとした二輪関連団体が、東京都の小池都知事のもとを訪れてバイク駐車場の設置拡大の要望書を提出しています。
また、すでに都内にはバイク駐車場の設置が進んでいる地域もあり、例えば調布市の神代植物公園ではバイク駐車場が増設されたほか、有楽町にある東京国際フォーラムに新たにバイク駐車場が設置されるなども動きも見られます。
バイクは小回りがきくうえに長距離の移動も可能なことから、災害時の移動手段・物資の輸送手段としても注目されています。
しかし、それもバイクを停めるところがなければ「絵に書いたモチ」で終わってしまいます。
こうした観点からも、今後都内におけるバイクの駐車場の新設・増設の重要性が高まっているのです。