走行税とは?
車を走らせた距離に応じて支払う税金の金額が変わる、これが現在導入が検討されている「走行税」です。
そのため「走行距離課税」と呼ばれることもあります。
つまり、車にたくさん乗る機会が多い人ほど自動車にかかる税金が高くなるということになります。
「なんだそりゃ?」と思うドライバーの方も多いのではないでしょうか?
実際この走行税に関しては賛否両論、というよりもデメリットに対する批判の声が多く聞かれます。
デメリットの方が大きいのでは?という声
何が問題なのかというと、走行税は「車を乗るのが好きな人ほど税金が高くなる=車が好きなら少しくらい税金が高くなるのも我慢するべき」といった構図が成り立たない点です。
また走行税を導入することによって自動車の排気ガスの排出量に歯止めをかける、という環境面からの視点も十分な形で成り立たない点も大きな問題です。
日頃車を運転する人、毎月の走行距離が長い人が必ずしも自動車を運転するのが好きな人とは限りません。
地方などでは自家用車がないと日常生活が成り立たないという環境もしばしば見られます。
そうした「生活のために頻繁に車に乗る」人たちの負担が増えてしまうのです。
そうなるとこれは車の生活にかける税金というよりも日常生活にかける税金になってしまいます。
さらに車は一般のドライバーだけが利用しているわけではなく、当然物流や観光などのビジネスでも利用されています。
この走行税が導入されることでこうしたビジネスの負担が大きくなる恐れがあるのです。
そうなると当然負担増の部分は利用料金に添加されることになりますから、例えばネット通販の配送料が高くなるといった車を運転しない人の日常生活にも大きな影響を及ぼすことになります。
もうひとつ、大きな問題となっているのが「実際の走行距離をどう把握するのか」です。
GPSを活用して走行距離を把握するという意見もありますが、ドライバーの走行距離をチェックすることがプライバシーの侵害になりかねないため批判の声もあります。
ですから正直に申告した人は損をして、走行距離をごまかした人は得をする、という不公平な状況になりかねないのです。
与党内からも苦言
このように、正直なところデメリットや問題点だらけの面があるため与党内からも批判の声が挙がっています。
例えば、与党自民党の三原じゅん子氏がSNS上でこの制度を批判する投稿を行って、話題になったこともあります。
負担増を利用料金に添加できない小規模事業者や下請けが続々と倒産して日本の物流が崩壊することになるのでは、という懸念や苦言の声も聞かれます。
現時点でどうなるのかまだわからない状況ですが、だからこそ今後の状況に注目したいところです。